2013年9月7日土曜日

【伝統産業】技術の価値。

衣食住の最初にある「衣」。桐生市の地場産業である織物産業は、全ての産業界において、もっとも成熟した業界ではないだろうか。

それ故、企業における技術的な新規性など、ほぼ皆無に等しいと思って構わない。素材が開発される以外は、特許で縛られているものを除けば、繊維の技術は模倣可能である。同様に伝統産業は、多くの場合、模倣の危機にさらされているというわけだ。

さて、繊維業界の方と技術の話になると、皆「うちだけじゃないからね」と言う。だが、その仕事が、今、そこにあることに大きな意味があり、そこには然るべき理由があるのだ。それを紐解いて話を聞いて行くことで、ようやく企業の強みが見えてくる。

nunotechでは、企業の技術を「個性」「精度」の2つの視点で分析している。
両方とも4段階の評価で、それぞれが上位2段階以内、もしくは、片方が上位1段階にある技術であれば競争力がある、と考えた。つまりそれが企業シーズとなる。そして、この企業の強み同士を掛け合わせることでようやく、模倣困難性の高い、競争力ある技術が生まれる、としている。

さて、この企業技術のマトリックスは、歴史の長い産業においては特に有効だと感じる。市場のニーズばかりを見ることよりも、企業のシーズ同士を掛け合わせることに重点を置く事で、企業の既存技術の活かし方に新たな活路が見いだせのだと思う。


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