2015年2月2日月曜日

【eDo】日本の工芸の課題を考えてみる

今、私は、eDoという活動をしています。日本の美意識を工芸を通して伝えたいという活動です。なので、工芸製品を作ったり、企画したり、イベントを考えたり、体験コースを考えたり、なんてことをしています。今は、orioriというブランドをはじめ、いくつかのモノづくりを中心に行っています。他のことはこれからですね。実施は準備が出来次第で良いんです。ムリはしません。考えておけば、いつでも出来ますから、しっかり考え抜くことが大切です。


さて、桐生の地場産業は繊維なんですが、私が、繊維製品のモノづくりを通して、コミュニティを作っていこうと考えてnunotechという活動を始めたのが2011年の11月でした。繊維も日本の工芸の1つと考えると、nunotechは、eDoの活動の次のレイヤーに来る活動と言っても良いかなと思ってます。


本題に戻りましょう。

日本の工芸、地場産業、伝統産業、の取材を続けて行くうちにあることに気付きました。

工芸を含む日本の伝統/地場の産業の多くは、手仕事の量産で成立していました。ですが、様々な選択肢が増えていくことことで、手仕事と量産が共存できなくなりました。手仕事で手間をかけると、どうしても高くなり、量産を望むなら工業化させて、なるべく手間をかけない方が良い、みたいな話しになっているわけです。

一方、手仕事を優先すると、価格は高くなりますので、商品ではなく、作品に近い製品というところに行き着きます。言い換えれば、どうしても作家性が必要になります。そうすると、作家性高めることと共に高価格帯にしていくか、量産させてなるべく安く作れるようにするか、という二つの選択肢が見えてきます。もちろん実際には、その間もあるわけですけどね。

今現在行われている取り組みの多くは、作家性を高めることに向かっているように思えますが、本当にそれが良いことなのでしょうか?他に選択肢はないのでしょうか?手仕事と量産は、もう共存することは難しいのでしょうか?本当は、量産できるようにすること、つまり、産業として再興するように、eDoでは、下支えする方法をもっと考えないといけないのではないかと感じています。