2014年5月14日水曜日

【Radio】ボランティアと管理の両立は難しい

今年度から熊本の崇城大学情報学部の非常勤講師を務めさせて頂くことになりました。
コミュニティFMで行っている番組作りについていろいろとお話をしています。

さて、今回のラジオネタ、「ボランティア」と「管理」について考えてみたいと思います。誤解を恐れずに言えば、重箱の角をつつくようなことを書きます。ですが、文脈の中で読み解かないとわからない内容です。全体を俯瞰する鳥の目と細部を見通す虫の目は、両方備わってこそ意味があります。

よく相談で言われるのが「ボランティアを受け入れたい」「受け入れるためにはどうしたらいいか」という質問です。そこで、実際どんな感じなのかを再現してみます。

相談「ボランティアを受け入れたいんです」
私「なぜですか?」
相談「番組作りのコストが減るから」
私「その他に理由は?」
相談「......コストが一番ですね」

ポイント①
「その他に理由がない」場合、短絡的なモノの見方です。もう少し広い視野を身につけましょう。

私「その他はないですか?」
相談「番組が増える?」
私「増えますね。他にどんなメリットがあると思いますか?」
相談「さらに人が来るかもしれません」
私「そうですね、その他にメリットはありませんか?」
相談「んーんー」
私「では、ボランティアを入れるデメリットはなんですか?」
相談「人集めをどうやっていくか」
私「そうですね、他には?」
相談「人が集まるので管理の問題とか」

まず、ボランティアを受け入れることで関わる人が増える、つまり、コンテンツが増えます。つまりは、ボランティアを受け入れることで、コンテンツは増える、となります。ですが、それを手にすると失うものがあるのですが、それが「管理」です。

故に、「たくさんの人を関わらせたい」と、「管理したい」は、共存できないのです。ただし、これは一般的に考える「管理」を行った場合なのです。

私「たくさんの人に関わってもらいたいけど、管理したい、という場合、どんな管理を考えていますか?」
相談「.........」
私「では、管理をしない、とした場合、どうなりますか?」
相談「.........」

ここまで来てわかると思いますが、相談者にとっては未体験なので、イメージ出来ないのです。イメージ出来ないことを質問されて、答えたところで、実際には伝わらないのではないかと私は感じました。そこで考え方を変えてみましょう。

「ボランティアとして関わる人を増やしたい」とは言っても、ローマは一日にしてならず、千里の道も一歩から、ということで、アタマの中に、ボランティアAさんをイメージし、その方が、継続的に番組作りに関わることができ、さらには、そういう方がたくさん増えれば....「ボランティアとして関わる人を増やす」ことはできそうではありませんか?

さらに言えば、自分がボランティアAさんになったつもりで考えてみましょう。

ラジオ局のディレクターとこれから番組を作って行くとき、ボランティアとして楽しく、継続的に番組作りに参加していきたい、と思うにはどうしてもらいたいでしょうか?そのインセンティブは何ですか?お金以外の何かがそこに必要なことがわかります。魅力ある放送局にするには、それに対しての想像力がカギになります。イメージをしっかり持つことが大切なのです。

その関係をどう作っていくか、という点については、また別の機会にお話します。

*このエントリーは1ヶ月前に下書きしていたのですが、関係の作り方については、5/16の第2回目の講義の内容になりそうです。

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