2015年9月21日月曜日

【閑話】国民の財産と安全を守る方法について考えてみる。

先週の熊本出張では、多くの方にお会い出来て、いろいろな刺激を頂いた。そんな最後の夜に、安保成立というタイミング。連休前に滑り込ませたかったようで。

防災関係のイベントに出ていると、ボランティアの活躍を多いに感じる。自然災害などは、それまで積み上げてきた財産を一気に失う危険があるのだから溜まったもんじゃない。ただ、国民の財産や安全を守る上で、国民自身のボランティア意識が必要という状況にやや疑問を感じたりもする。地域防災に関わる方は全て有償ボランティアとなるべきではないかと思う。

自然災害以外にも、国民の財産や安全を全て奪い取ってしまう脅威が「他国からの脅威」だ。

ミサイルが頭上を超えて飛んで行った事実をどう考えればいいのだろう。これは「脅威」とは言えないだろうか。テポドン1号はマジか!と思ったものだ。

そうなってくると、自衛権の行使を「する」のか、「しない」のか、という話しになる。自衛権の行使は、国際憲章でも(要件は伴うが)「権利」とされている。さらに、自衛権の行使には、個別的自衛権/集団的自衛権があり、日本国憲法第9条では、行使の要件について、「他国に対する武力攻撃が発生した場合」というのが元々含まれている。だだし、それは直接的に「日本国民への影響があると認める場合に限る」とされてきた。よって誰が攻撃されようと、それが「日本国存続の危機に繋がること」が発動条件になる。

一方、自衛権の行使をしない、という方法もある。アメリカさんに守ってもらう、という方法だ。土地を提供し、年間約7000億円を提供していることからも、守ってよーという態度でも良い気がする。というより、今まではそういう感じだったのかな。
アメリカにとっては、日本は対アジアの堤防であり、最前線ということになる。アメリカが攻撃を受ける事態になれば、最前線の日本にある基地は攻撃されることは容易に想像できる。恐らくは、日本国内に、アメリカさんの影をちらつかせることで、アジアへの影響力を持とうと思っていたのだろうが、イケイケなアジア諸国は、そんなこともおかまい無しなのだから、キーっと地団駄を踏んでいるかもしれない。そのためには、日本とタッグを組めるような状況にしておくことで、一蓮托生でいろいろな「影響力」を発揮できるかもしれない。


ここまで来ると、そのいざって時のために集団的自衛権は行使出来た方が良いのではないかと考えてしまうのだが、それでもやはり、違うだろうと思う3つの理由は以下の通り。


まず1つ目は、そもそも日本は他国と武力で争う必要があるのか?ということ。
適応が必要なのは、韓国、ロシアの国境問題、中国、韓国、北朝鮮の戦中の問題、北朝鮮の拉致の問題は少し置いておこう。集団的自衛権における「他国に対する脅威」とは、他国=アメリカさんであることは明白で、アメリカが攻撃を受けた時点で発動条件が発生するわけだから、今回の法案で、先のアジア以外ともコトを構える可能性が増える。これは明らかにマイナスだろう。


2つ目は、日本の安全保障を考える場合、議論すべきは個別的自衛権についてではないかと思う。
その行使について、明確な基準なりを設けるためにしっかりした議論をし、その上で、軒を貸しているアメリカさんを始め、国際者社会に対して、明示し、協力を求めるべきではないかと。
仮に、アメリカ軍の基地が攻撃された場合、現行の法律でも個別的自衛権の行使は出来るのではないかと思う。というかして欲しい。攻撃されたのがアメリカの基地だとしても、そこには日本人の暮らしが関わっているのだから。

そして、3つ目は、集団的自衛権とは、「自国で自衛権行使の基準を持たず、大国アメリカと運命共同体となります」という宣言に他ならない。ありえない。なぜなぜなぜ。日本は、国際社会においてしっかりとした存在感を示し、いざって時は、助けてくれる仲良しの国を、アメリカさんだけではなく、一国でも多く作っておく必要があるように思う。


https://ja.wikipedia.org/wiki/北朝鮮によるミサイル発射実験_(1998年)



1998年、テポドン1号が打ち上げられ、第1弾が日本海へ第2弾が太平洋へ着弾した。このことに日本は、威嚇攻撃くらいすべきだ。もし、そのミサイルが国内におちたら。もし、タンカーや漁船などがあったのなら、そういう状況であったにも関わらず、出すのは声明。しかも、ある民主党議員は、北朝鮮に対して、「過敏に反応しちゃってゴメンね」と謝罪しているらしい。あり得ない。拉致問題のハンドリングをされてしまうのは当たり前だと思う。日本が交渉できる材料もあるはず。皆まで言わないけど。


今回の集団的自衛権の行使は、個別的自衛権の行使についての議論を避け、思考を止めた日本の政治家による、アメリカと運命共同体になるという宣言だ。戦後70年を経てアメリカの属国としての日本が完成したことになる。

日本への脅威がよくよく引き合いに出るが、国際憲章でも認められている日本の個別的自衛権の話しとは関係ない。それはそれでしっかりと議論しないといけない。

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